おかげ様で、椎名洋ラン園も創業40週年を迎えることが出来ました。
1973年 学生時代、農家の後継ぎとして何をしたらいいのかと悩んでいた頃、農場見学の授業の中でランと出会い、大きな衝撃を受けました。
それを機に専攻をランに絞り、ラン農園での研修を経て、1976年 椎名洋ラン園を創業しました。
当時、我が家は梨と水田の専業農家でしたが、将来への夢が抱けず、
何か自分で始めてみたいという思いが強く、両親の心配を背に多額の借り入れをして、洋ランの栽培を開始しました。
開始当初は、シンビジュームを中心に、色々なラン(カトレア、パフィオ、ミルトニア、オドントグロッサム、オンシジューム、バンダ、エピデンドラム、デンファレ、デンドロビューム・キンギアナム等)を栽培しましたが、失敗の連続でありました。その中から選ばれ、残ったランがコチョウランであり、現在のミディーコチョウランです。

現在に至るまでの大きな要因としては、お客様からの意見によるものに大きく影響を受けています。当時はバブル前の高度経済成長期にあり、大きく高価なランも売れていたのですが、直売や即売会でよく耳にしたことが、「どうしてこんなに値段が高くて大きいの? 欲しくても飾れないわ!」でした。
多くのお客様に満足して買って頂くために、品種改良の必要性を強く感じ、目標を次のように定め、1983年より品種改良を始めました。

・ランの品格を保ちつつも、可愛らしく綺麗である。
・花持ちが良く、バランスが良い。
・コンパクトでありながら存在感がある。
・栽培が簡単で、手頃な価格で流通できる。

これらの目標をクリアできるのはコチョウランであると判断し、様々な親株を入手して、交配を重ねるとともに栽培技術を磨き、十数年の年月を経て、やっと理想に近いコチョウランを開発することが出来ました。
コンパクトでありながら存在感があり、可愛らしい花は数ヶ月間咲き続け、ダイヤモンドのように光り輝き、どこにでも飾れ、手頃な価格で販売することが出来る。これなら、多くのお客様にご満足頂けると感じ、ミディーコチョウラン 「リンリン」 「ランラン」と名付け、販売を開始しました。
1995年、ランランとリンリンを発売後も様々な品種が生まれ、現在では300品種ほどになり、国内はもとより、ヨーロッパ、アメリカ、中国、韓国、東南アジア、ブラジル等、世界各国で流通が広がっています。
お客様の意見を元に、お客様に喜んで頂けるランをイメージし、品種改良を続けてきたことが、世界各国への販売につながり、広がっていった原動力であると確信しています。

1鉢飾るだけで、お部屋の雰囲気が一変します。
この小さなコチョウラン1鉢で幸せを感じ、平和を感じて頂けたら、生産者として最高の喜びです。
これからも、お客様の声に耳を傾け、満足して頂けるランを追求し、開発を続けていく所存です。

2016年 9月 末日
有限会社 椎名洋ラン園
代表取締役 椎名正剛

ヒカル